おじさん、ラブリーホールの舞台に立つ 『河内長野市ぶらり歩き&大阪フィルハーモニー定期演奏会』より

『河内長野市ぶらり歩き&大阪フィルハーモニー 第506回 定期演奏会』

いやあ、おじさんには慌しい日になった。

昼間は、河内長野市内ぶらり歩きのツアーに参加し、昼過ぎ、それが終わってから、急遽、山を下りて大フィルコンサート第506回の演奏会を楽しんだ。

いつもの通り、奥さんも同一行動をとった。

ぶらり歩きツアーは、ボランティアグループの定例会として参加することになった。

実は、今回のぶらり歩きには、いやもう、おじさんに嬉しいサプライズがあった。

後で触れたい。

まずは、南海高野線河内長野駅前の観光案内センターで集合。

それから、市内の中心部である西代地区へ向かう。

河内長野の駅前ショッピングビルの脇を通り、旧繁華街の商店街を抜け、東に歩くこと20分程度。

そこには、西代(にしんだい)神社がある。

イザナミ・イザナギ以前の由緒ある神を祭祀する、伝統ある地元神社だと言う。

実は、この辺りは、古くから河内長野の行政地域で、江戸時代の元禄の頃、一万石の本多忠統(ほんだ ただむね)の陣屋があった所だ。

本多忠統は、その名前から、徳川家康の譜代の四天王本多忠勝(平八郎)に繋がる家系なのだろう。

後に、伊勢の神戸藩に移封したが、河内では善政を施し、領民に慕われたということだ。

また、高名な学者でもあり、伊勢に赴任した後、その仁徳を慕い、この神社が創建されたと言うことだった。

そこで、宮司さんから、神社の由来を聴き、拝礼の儀礼を習った後、参拝する。

それから、近接する西代会館に立ち寄り、民衆神楽として、この地域で長く保存されている《西代神楽》の保存版DVDを鑑賞する。

十節位からなる長い神楽である。

おじさん、若い巫女(みこ)が神楽を舞うのだろうと思っていたが、残念、男神楽だった。

しかし、中々滑稽な仕草で楽しめる。

見せ場は、獅子舞と翁が白い球を取りあう仕草を神楽にした「玉の神楽」がユーモラスで面白い。

獅子舞が翁の玉を奪い、翁がそれを取り返そうと、そっと近づいたり、素知らぬ振りをしてみたり、ほっかむりやムシロを被って変装してみたりと、丁々発止のやり取りが30分程は続く。

かなり長い神楽だ。

いつもの元高校の先生は、その奪い合う白い玉が何をシンボライズしているのかじっくり考えてみてはどうかと言うことだった。

なるほど、おじさん、何らかの意味がありそうで、宿題とさせていただいた。

鳴り物は、鼓の様なバチ太鼓と本来の和太鼓、それに篠笛の素朴なものだ。

おじさん、神楽を鑑賞しながら、江戸時代の農民たちが、村祭りに集い、長閑(のどか)なひと時を楽しむ情景が瞼に浮かぶようだった。

束の間、おじさん、かっての日本の農村の甘い郷愁に包まれてしまっていた。

いやあ、実際に神楽に使う獅子頭を持たせてもらったが、これは重い。

若い人でないと、この神楽は踊れないと言う。

翁面、鈴、筅、玉など、一通り、手に取って見せていただく。

この《西代神楽》は、地域の保存会の人たちがお世話されて伝承している。

さて、西代神社のぶらり立ち寄りが終わり、お昼を頂いた後、本日のハイライト、河内長野市市民ホール、通称《ラブリーホール》の舞台裏見学となる。

いつもは、見る方の観客として、随分お世話になっているが、実際に、その楽屋裏には入ったことがない。

出演者でないと、当然ながら、楽屋裏には入れない。

このホールは、かって人口の流入が激しかった25年前に、贅沢に予算を注ぎ込み建てられたクラシック専門ホールである。

おじさん、何度も紹介している通り、素晴らしく音響の良いホールだ。

座席数は1階席は800席、2階席は500席だから、都合、1300人の収容人員となる。

大き過ぎもせず、小さ過ぎもしない。

ちょうど頃合いの規模だろう。

オペラが上演できるように舞台の全部が上下に昇降し、下降させれば、オペラピットを設けることができる。

舞台は左右20m(舞台袖を含めると35m) かける 奥行き20mになっている。

緞帳も素晴らしく、日本画家の平山郁夫さんの《紫禁城(しきんじょう)》が織り込まれている。

さてさて、今回のツアーの目玉だ。

ついに、おじさん、ラブリーホールにデビューすることになった。

客席には、誰もいないが、特別に舞台に立たせていただいた。

段取りはこうだ。

参加者がグループで舞台に上り、奈落の上に立つ。

そして、一旦、奈落に沈んでから、再度、せり上がる。

その際に、緞帳が上がり客席が一望に見渡せると言う、「スター誕生」の疑似体験ができるのだ。

まさに、カーテンコールのシーンそのものだ。

そして、おじさんたちは、客席に向かって、アカペラだが、思いっきり歌を歌うことができた。

信じられない体験だ。

楽曲は、予め坂本九さんの『上を向いて歩こう』の歌詞が用意されていた。

もちろん、おじさん、初体験だ。

これは最高に気分がいい。

舞台からの観客席の眺めは最高だ。

意外に、座席は、ぐっと間近に見える。

おじさん、よくコンサートで気持ちよく睡眠をとるが、「こりゃ、まる見えだ。」 

次回からは、心改めねばならない。

まあ、それはともかく、おじさん、思わずスタンドプレイで、準備曲を歌い終わった後、同じ坂本九さんの『見上げてごらん夜の星を』を、最初の一節だけだが、独唱してしまっていた。 

♪見上げてごらん 夜の星を…♪

いい声だ。エヘヘ! 

かくて、おじさん、ラブリーホールでのデビューとなった。

一生に一度でいいから、千人を超える客席を持つ大劇場の舞台に立って歌ってみたかった。

いやあ、夢が叶った。

後は、甲子園のマウンドから、思いっきり速球?を投げ込んでみたい。

こちらの夢の方は、どうも駄目かも知れない。

とにかく、おじさん、ここ十年来なかった、最高の気分だった。

おっ、それでツアーの方だ。

この後、舞台裏にある楽屋を見せてもらった。

楽屋裏の通路は、小ホールとも繋がっていて、地下2階にはリハーサル室もあり、秘密のエリアのようで、中々ミステリアスだ。

楽屋は大・中・小、都合5部屋ある。

小さい方の部屋には、谷村新司さんやさだまさしさんらが出番を待っていたそうだ。

指揮者もここで待機していると言う。

中は、オペラ座の怪人など居ようもなく、ごくシンプルで、ドレッサーにカウンター、カウチなどが用意されていた。

と言うことで、ツアーはお開きになった。

だが、この日のおじさんたちのスケジュールはこれで終わらない。

ここから第二幕が始まるのだ。

ツアー解散後、早々、おじさんと奥さんは、山を下りることになる。

今度は大フィル第506回定期演奏会を鑑賞するためだ。

中之島に着くやいなや、いつもの通り、腹ごしらえのために、イタリア大衆食堂《グラッチェ》に立ち寄る。

たらふくボリュームたっぷりのパスタとピザを堪能する。

そして、そのまま、フェスティバルホールに飛び込んだ。

今回は、世界的なマエストロ尾高忠明さん指揮による『チェロ交響曲』、それに、Rしとらうスの『英雄の生涯』と言うプログラムだ。

それに、今回の一部での演奏には、今、話題の若きチェロリスト宮田大さんが来演している。

尾高忠明さんは、今年は、大フィルのミュージック・アドバイザー、そして来年から、大フィルの音楽監督になられるらしい。

だから、今回の定期演奏会は、その手始めの演奏指揮と言うことになるかも知れない。

お披露目だ。

今回の珍しい《チェロ協奏曲 作品20》と言う演目は、尾高忠明さんのお父さんが作曲されたものだ。

いやあ、大フィルの音楽監督就任に当たり、何か思うところがあったのかも知れない。

奥さんは、より人間の声の波長に近いと言われているチェロの響きが何よりもお気に入りだ。

それに、おじさんたちは、ご当地のチェロリスト松原光さんの追っかけだから、同世代でチェロ奏者の先頭を走る宮田大さんの演奏が気になった。

どうしても、松原さんの演奏と聴き比べたいと、甚だ失礼なことを考えてしまう。

いやあ、さすがに、今、最も時めく人気チェロリストだけに、その滑らかな音の繋がりと、濁りのない響きは、さすがだと思わずにはおれなかった。

圧巻! 

いやもう、オーケストラに8人のチェロリストを配した『チェロ協奏曲 作品20』では、十二分にチェロの音色を楽しむことができた。

R・シュトラウスの交響詩『英雄の生涯』は、チューバやホルンが、効果的にフィーチャーされる多彩で聴きごたえのある演奏になっていた。

この日の演奏は出色だったと思うが、やはり、おじさん、昼間の独唱の疲れも出てか、それに、お腹も満たされていたせいか、半分睡魔と闘いながら、夢心地で演奏を聴いていた。

きっと、ベテラン指揮者の尾高忠明さんは、おじさんが船を漕ぎながら、演奏に陶酔する姿を、ご覧になっていたのに違いない。

失礼しました。

反省!

   ※ヤフーブログにて 2017年5月29日 アップ

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