お金のしもべになってはいけない その1 『庶民は知らないデフレの真実』より ☆☆

『庶民は知らないデフレの真実』~貧乏人は読んではいけない~ その1 著者 森永 卓郎


この森永卓郎さんと言う人は、いつの間に「経済評論家」になっていたのだろうか?

おじさんは、もっとシリアスな経済アナリストとして認識していたのだが、どうも、タレントっぽくなったようだ。

確か、以前は、『年収300万円時代を生き抜く経済学』など、貧乏人のエンジョイライフのノウハウなどを盛んに説いていたと思うのだが、今回は、一転して「金持ちが より金持ちになるための 金持ちによる経済学」を、この本で力説しているのだ。

いやはや、節操のない人である。

何と、この本によれば、この10年間に、ご本人は懸命に働いて3億円も蓄財したというのだ。

その前は、自らのことを、「貧乏人のミニカー・オタク」と自称していたのだ。

当時は、きっと自己体験もあり、その貧乏論にはそれなりの説得力もあったと思う。

ところが、自分がお金持ちになったので、今度は金持ちの味方とは、ひどい変節漢である。

まあ良い。

おじさんたちは、その貧乏人からお金持ちになったというノウハウを知りたいのだ。

ところが、そんなことは、この本には、いささかも書かれていなかった。

しかたがない。

とにかく、これは、おじさんの勝手な推察だが、フォロっておくことにしよう。

その秘密は、ひょっとすれば、「経済専門家・経済学者」から「経済評論家」への肩書変更ではないのだろうか? 

ウロ覚えだが、この人は、随分前に東大卒業の新進経済学者として、テレビに登場していたと思う。

それが、例の日曜日の朝、田原総一郎さんがプロデュースしていた『サンデープロジェクト』と言う報道番組に経済学の専門家として登場し、反論相手の激しい突っ込みで、基本的な経済原則も理解せず、しどろもどろになっていたのを、おじさん覚えている。

まあ、そんなことはどうでも良いのだが、あの番組は、誰も似たり寄ったり、声の大きいものが主導権を取るのだ。

いやまあ、あのような番組に出演するには、森永卓郎さんは、あまりにも心優しき人なのだ。

以降は、その番組からお呼びがかからなかったのか?

自らが遠慮したのか?

とんと番組には姿を見せなくなった。

その代わり、他局のバラエティ番組に、コメンテーターとして登場し始めたのだ。

「経済専門家・経済学者」から「経済評論家」へと鮮やかに転身したのだ。

番組も「報道番組」から「バラエティ番組」へ鞍替えしたのだ。

と言うことで、いい加減に、いや失礼!随分気楽に物が言えるようになったのだろう。

強面から、オトボケ路線への変更である。

途端に、この人への番組オファーが増え、テレビへの露出がまたまた増えた。

そのオタクキャラクターが、バラエティ向きだったので、才能が一気に開花したのだ。

きっと、テレビ出演も増え、それに伴い、講演会などへのお呼びも頻繁になり、本業である経済の専門分野へのコラムなどの原稿依頼や、本の出版依頼も増加したに違いない。

経済評論家など、いい加減なもので、売れると言うことが、その人の評価に繋がるのだ。

かくて、売れっ子となり、それは所得の増加をもたらしたのだろう。

この本では、もっとしっかり運用していたら、数十億の資産になっていただろうと嘯いている。

さもありなんである。

先頃、公金詐取の罪で長野刑務所に収監されていたホリエモンこと、堀江貴文氏は、獄中からメールマガジンを発信する事業を立ち上げ、刑務所に収監されていた2年ほどの間に、何と1億円以上を儲けたと言う。

ブログの配信契約料は月額800円ほどだと聞いたが、世の中には、ホリエモンさんの金儲けの御利益にあやかりたい人も多いようだ。

まあ、メルマガ契約は、単なる興味本意、話しのネタを得るためのお遊びであったかもしれない。

とにもかくにも、この森永卓郎さんは、経済専門家・学者という、あまり役にも立たないプライドをかなぐり捨て、経済評論家と言う適材適所を見つけることで、大金持ちになった訳だ。

どうも、この本では、ご本人は、面白おかしく本を書き上げるために、お金持ちの代弁者になりすましたと言っている。

いやはや、お金持ちの本音という形で、お金持ちが自らの地位を守るために、いかに、政治家や財界、官僚に対し、都合の良い経済政策を押し付けているかを暴露したと言うのだ。

もちろん、森永卓郎さんは庶民の味方、反面教師としてこの本を書いているのだが、おじさんには、いつの間にか、お金持ちであることを鼻にかけているように思えてくるのは僻みだろうか?

例の大阪の漫才師の「なあ庶民よ、わたしは、大金持ちのお坊ちゃまじゃ~、励めよ…。」と呼びかけられているような気がしてならなかった。

まあそれは良いとして、もちろん、ぐうたら猫のおじさんには、ここに書かれている大金持ちの暮らしは面倒くさいように思ってしかたがない。

あまり、場違いな銀座の高級クラブには行きたくないし、取り回しの大変な外車も要らない。

どちらも性に合わない。

クルーザーや自家用ジェット機があっても、ハテハテ、誰が運転するのか?

さぞかし、免許を取得するのが大変だろう。

高級料理店はマナーが面倒臭いし、気にすれば料理が喉を通らない。

ブランド物の宝石やアクセサリー、腕時計を身に着けても、一体、誰が見てくれるのか?

などなど、お金持ちのやることは、いちいち面倒で、途方もないパワーが要りそうなのだ。

いやもう、こうした人生の価値観の問題を持ち出せば、話しが終わってしまいそうだ。

何が言いたいと言えば、とにかく、経済的には失われた20年間と言われているデフレ社会も、あながち、おじさんたち貧乏人には、それ程暮らしにくい時代ではなかったということだ。

確かに、お給料は上がらない。

その分、物価は安定しているのだ。

とりわけ、年金生活者は、そこそこ安心して暮らせる社会となる。

特に、しこたまお金を貯めた高齢者にとっては、むしろ、好ましい状況だったかも知れない。

何となれば、60才以上の貯蓄は、一人当たり平均2000万円を超えているらしい。

老夫婦2人の世帯となれば、優に4000万円の資産があると言うことだ。

少しばかり金利が少なくても、デフレによる物価の下落で、貯め込んだお金の価値が上がるのだから、充分カバーされる訳だ。

景気が悪くても、年金支給だから、現役のように、お給料が下がったり、ボーナスがカットされたりしないはずだ。

リストラのリスクもないのだ。

おじさん思うのだが、要は、デフレ社会というのは、貯蓄もなくローンの負担が重くのしかかり、子供に教育費のかかる、比較的若い現役世代に厳しい社会なのだ。

おじさんは、いつも若い世代の味方だから、当然ながら、デフレ社会よりは、少々インフレ社会に振れた方が良いと思っている。

何しろ、経済的に言えば、デフレ社会は、そのまま日本の富を、みすみす喪失しているようなものだからだ。

アベノミクスは、大いに結構だと思う。

2%のインフレターゲット政策も当然だと思う。

新しい黒田日銀総裁に、是非頑張って欲しいものだ。

まあ、おじさんも高齢者に足を踏み込み始めているが、少々手持ちの金が目減りしたっていいではないか!

目減りするなら、貯め込んだお金を大いに使えば良い。

それで、消費が活発化し、企業業績が良くなれば、現役世代のお給料が上がり、雇用も確保され、好循環が生まれるのだ。

ただし、政府には、こうした企業の儲けが企業の内部留保とならず、お給料やボーナスに反映されるようにしっかり監視して欲しいものだ。

当然ながら、インフレ社会は格差を助長するだろうから、本当の貧乏人、弱者へのセフティネットへの配慮はゆめゆめ忘れて欲しくない。

その2に続く

  ※ヤフーブログにて 2013年5月25日 アップ

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