劇画タッチの今時の恋愛小説 『きみが見つける物語』より ☆

『きみが見つける物語』(十代のための新名作 恋愛編) 著者 有川 浩 他著


若い人たちを、読書の世界にいざなうための本である。

人気作家の短編が5編集められている。

それも、とびきりの恋愛小説と言うのだから、大いに若者が本を読むきっかけになるに違いない。

ホント、最近、こうした意図で出版される本が増えているようだ。

良い試みだと思うが、それだけ、若い人の活字離れが進んでいると言うところだろうか。

とは言うものの、小説の世界は、歌の世界のようなベストヒット歌謡曲やポップスCDアルバムと言うわけにはいかない。

まさに、作家とその作品の選択が難しいのだ。

いやはや、そこで、この本なのだが、オールディズのおじさんですら、聞いた事のある流行作家の作品を勢揃いさせている。

そうだな、最近の作家には、自分の作品が、こうした取り上げられ方をしても、あまり抵抗がないようである。

取り上げられている作家は多士済々。

有川浩さん、梨屋アリエさん、乙一さん、山田悠介さん、東野圭吾さんである。

まあ、おじさんから言えば、作品的には、それほどではないが、小説入門編としては、それなりだろうと思う。

おじさんから見れば、最近の小説は、どことなく漫画タッチと言うか、劇画タッチと言うか、アニメタッチと言うか、主人公は、全て、どこか、瞳がキラリと輝き、前髪がバッサリと目に降りかかると言うような感じがして仕方がないのだ。

まるで、漫画と小説のハーフ&ハーフを読んでいるような気になる。

いやまあ、これはこれで良いのだろう。

おじさんは、有川浩さんの今時の女性を軽妙に捉える感性に一目置いているし、山田悠介さんの今時の優し過ぎる男たちの生真面目な行動描写に、当世風の才能を感じるのだ。

まあ、ところで、最近の小説には、怪奇物やホラーのフレバーがかかり過ぎているようだ。

この辺は、少し気になる所だが、とにかく、この本、作家との出会いの場と言うか、合コンの場としては、一期一会、それなりに良いのではないか?

おじさん、とにかく、活字に触れる楽しみを感じて欲しいと思うのだ。

おじさんの古本屋にも、こうした企画の本を、もう少し品揃えしていきたいと思うので、手に取って読んでもらえば幸いである。

  ※ヤフーブログにて 2013年2月26日 アップ

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