あなたの人生に役立つかも!? 『世界の心理学 50の名著』より ☆☆

『世界の心理学 50の名著』 著者 T.バトラー=ボードン  訳 米谷 敬一


こう見えても、おじさん、大学では心理学を専攻した。

と言っても、大したことはない。

崩れ心理学専攻だ。

おじさんの志望はマスコミ専攻で、社会学部に入学した。

当時の社会学部と言うのは、得体の知れない学部で、およそ学問とは認識しにくい学問が取り扱われていた。

おじさんが通学していた大学でも、社会学とか、マスコミ学とか、映像学とか、心理学とか、ホント、学問の学という文字を当てはめて良いのかわからないような曖昧学問が、この学部に集約されていたのである。

まあ、遊び人の多い、ヤクザな学部だった。

おじさん、マスコミ志向ながら、ひょんなことから心理学専攻になってしまったのだ。

これは、何と言う事もない、おじさんの、単純な勘違いから始まったことである。

要は、声が小さくなるのだが、おじさん、心理学と言うのは、実は、小説における登場人物の心理描写について、研究するのだと思っていたのだ。

まあ、それなら、大学4年間、のんびり小説ざんまいの日々が過ごせるのだと、思い込んでいたのだ。

いやはや、その頃は、全く、大学生なら、誰でも知っていそうなフロイトやユングなどの名前すら聞いたことがなかったのだ。

トホホ、勘違いから始まった、心理学専攻なのである。

当時、この本に目を通していたなら、おじさん、まっとうにマスコミを専攻して、今頃は、違った人生を歩んでいたかも知れない。

と言うような訳で、おじさんの大学4年間の学究生活?は、興味のない専門書に追い回される苦痛の日々となったのである。

いやもう、授業には出ず、仕方なく、ビリヤードに勝つためのゲームの心理的考察や、麻雀における心理戦ばかりをやっていた。

まあ、何も頭に残っていないと言うことだ。

もうひとつ、心理学と言うものが、何やら、何の役にたつのかわからなかったことも、おじさんにとって不満だった。

おじさんの、先輩にセラピストをやっている人もいるが、どうも人間の本質は別として、職業的には、胡散臭く見えて仕方がない。

まあ、そういう事で、この本、『世界の心理学 50の名著 エッセンスを学ぶ』 著者 「T.バトラー=ボードン」を学生時代の反省と後悔の念から、読んでみることにした。

と言っても、この本は、本格的な心理学の専門書ではない。

その専門書を紹介する、アンチョコ本なのである。

おじさん、心理学の本の退屈さは、身にしみて体得しているから、要は、ぐだぐだのない、ポイントだけを知りたかったのである。

紹介本なら、それらの本が紹介すする心理学の真髄を、要領良くサマリーしてくれるに違いない。

タイトルのエッセンスと言う言葉が気に入ったのである。

これは、正解だった。

また、心理学者の書いた本だけにこだわっていないのも、気に入った。

実業家や作家など、一般人が書いた本にも、門戸を開いている。

まあ、心理学が、人間の心を取り扱う学問なのだから、当然、自前で誰でもアプローチできる土壌がある。

いやはや、学者より、広く世の中に出て、心の柔軟な人の方が、心理学には向いているのではないのだろうか? 

ホント、この本で紹介されている、著名な心理学者の多くが、プロフィールを当たってみると、波乱万丈の人生と言うか、脛に傷を持つ人が多いようである。

これも正解だった。

おじさんの様に、心理学アレルギーのある人間でも、学生時代に遡り、無理なく勉強をし直させてくれた。

ところで、心理学の50のエッセンスだが、おじさん、気になったものを、幾つか挙げておこう。


①世の中は悪意に満ちている。

ほどほどの善意より、圧倒的に悪意が世の中を支配している。

これを、社会から果断なく送られてくるブラックメールと言うらしい。

従わずにはおかないと言う、個人的、社会的プレッシャーである。

言う通りにしなければ、あなたは苦しむことになるだろうと言う、脅しのメッセージである。

このメールに対しては、果敢に遮断する強い意志が求められるのである。

弱みを見せれば、ツケ上がらせる。

おじさんたちは、心に強靭なファイヤーウォールを備えなければならない。

ノーと言える自分を持とうという薦めである。

「影響力の武器 何故人は動かされるのか」/ロバート B シャルディーン 


②人生には必ず意味がある。

例え、それを信じられない過酷な状況におかれようとも、信じた人間と、信じなかった人間に大きな差が出たと言う。

ナチの収容所で最後まで生き延びた人間は、圧倒的に前者が多いようだ。

それが、例え、人間社会の不条理で報われる事がなくても、どちらが幸福に生きることができるかは、自明の理である。

人生にとって最高の幸せとは、成功することではなく、勇気を奮い起たせ、不変の運命に立ち向かうことであると忠告する。

「意味への志」/ビクトール フランクル 


③人間は、未来を予知できる唯一の動物である。

だから、幸せな未来を切望するし、将来に対する不安に、絶えず脅かされている。

リスは、秋になれば、木の実を集めるが、それは、単に気温の低下に反応した、生理的、本能的行動でしかない。

人間だけに、未来と言う概念があるのである。

記憶があり、過去が存在し、過去を前提に、現在を通じた未来についてが思い巡らせるのである。

だから、認知症患者には未来がない。

過去がないため、未来がイメージできないのだ。

過去、現在、未来は延長線上にあるからだ。

いわば、認知症患者には、永遠の現在が続くのである。

人間は、予測して生きる動物なのである。

ところが、人間の行う未来の予測は、極めて不完全なものなのである。

それは、極めて楽観的な予測であったり、悲観的な予測であったりする場合が多い。

幸福の予測は、しばしば、裏切られるのである。

もっと、人は、経験の豊富な人に耳を傾け、歴史に注意を払うべきである。

「幸せはいつも、ちょっと先にある 期待と妄想の心理学」/ダニエル ギルバート 


④人間は輪切り能力を持っている。

鋭い刃物で、スパッと本質を輪切りにする瞬間的インスピレーションと言うやつだ。

何となくが、正しいと言うことである。

おじさんたちは、無意識に、情報をしっかり収集し、じっくり考え、慎重に行動しなければならないと刷り込まれている。

しかし、世の中、眺めてみると、必ずしも、そうでないことが多いのだ。

下手な考え、休むにしかず、と言う。

おうおうにして、最初に判断したことが正解と言う事が多い。

森を見て、木を見る方がいいのだ。

おじさんも、ビジネスの時は、どちらかと言えばカンを重視した方だ。

まあ、情報収集が面倒なだけなんだが…

しかし、どうもあんまり考え過ぎた時は、良い結果が出なかったような気がする。

人間は心の適応性無意識と言う領域の働きで、適切な判断を下せるようである。

瞬間的閃きの効用を教えてくれる。 

「最初の二行の何となくが正しい」/マルコム ブラッドウェル 


⑤心の知能指数(EQ)、感情値指数は、世の中を生きて行く上で、知能指数(IQ)より、しばしば大切なことが多い。

まあ、心の知能指数とは、心の耐性と言ってもいいだろう。

くだけて言えば、世渡りの知恵、世間智と言い換えても、そう外れてはいないだろう。

子供の時は天才、大人になればタダの人と言うのは、このことを指すのだろう。

まあ、世間智がなければ、せっかくの高い知的能力も、宝の持ち腐れと言うべきか? 

つまり、知能指数と言うやつは、人間の能力の一部しか評価していないと言う事かも知れない。

ホント、必ずしも、知能指数と将来の成功や幸福は正比例しないのである。

この本は、おじさんたち凡人に、勇気を与える本である。 

「ビジネスEQ 感情コンピデンスを仕事に活かす」/ダニエル ゴールマン …… 

こうして、心理学のエッセンスをピックアップしていると、案外、おじさんたちの人生に、様々なよい指針を与えてくれるようである。

おじさんのような心理学アレルギー、心理学食わず嫌いも、この本なら、さほど抵抗なく、心理学の恩恵を受けることができそうである。

最後に、この本で、紹介されていた本に書かれているそうなんだが、何と言うタイトルの本だったか忘れてしまったが、読書することが、人間の心の安定に大きな役割を果たすことが証明されているそうである。

古本屋のおじさんとしては、最も、言っておきたいことだ。

  ※ヤフーブログにて 2011年9月1日 アップ

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