詩人の戯言 『田園の憂鬱』より ☆

『田園の憂鬱』 著者 佐藤 春夫 

古本屋の憂鬱。

昼下がり、おじさんはアンニュイな気分に陥ってしまう。

切なく、時が過ぎていくことが憂鬱なら、まさに今、おじさんは憂鬱である。

できれば、佐藤春夫さんが書いているように、この古本屋が、どこか山里の田園にあれば良いのにと思う。

何とも思わせぶりなタイトルじゃないか。

青春の憂鬱は田園で詩を生み、初老のおじさんは古本屋でため息だけの人になるのである。

この本には、青臭い詩人の青臭い戯言以外、何も書かれていない。

詩人とは、自然の中に包まれると、こんなことを考えるのだろう。

これはこれで興味深いのだが、おじさんにとっては、退屈極まりない詩人のさかしらしい戯言に聞こえる。

憧れはあるが、やはり、おじさんは、古本屋の初老のアンニュイを愛するのである。

憂鬱とは、その原因が分らないのに精神が落ち込んでいく、甘酸っぱい感覚を言うのだろうか。

この本から、これと言って感じることがない詩人オンチのおじさんだから、評価できずにいる。

やはり、佐藤春夫さんは小説家ではなく、多分、感傷癖のある屈折した詩人なのかもしれない。

『都会の憂鬱』という連作があるようだ。

おじさんは、あまり読みたくないな。

どうも、趣味の違う人間のようである。

  ※ヤフーブログにて 2015年10月4日 アップ

"詩人の戯言 『田園の憂鬱』より ☆" へのコメントを書く

お名前
ホームページアドレス
コメント